危険な瞳に恋してる

 かた……っ



 もう一つ、音と気配が増えた。

 ……どうやら準備室に入ってきた人は、二人、のようだった。



 とく……とく……とく……



 
 いつ、ひょい、と覗かれてもおかしくないのに。

 村崎先生の鼓動は、もう乱れることはなかった。





 ……そして。

 隣の準備室に入ってきた人たちも。

 わたし達の事なんて、ちっとも気がつかず……っていうか。

 ……どうやら、辺りをちゃんと気にしている余裕は、ない、みたいな事に気がついた。