先生の冷たかった手が。

 わたしを触っていくうちに、だんだん熱を帯びてきた。

 しなやかな大きな左手が、わたしの口を塞ぎ。

 右手は、わたしの胸を、狂おしくかき抱く。

「……あ……ああ……っ」

 それぞれの手を引き剥がそうとはしてみても。

 もう、力が入らなかった。

 ……負けて、しまいそうだった。

 わたしの抵抗が弱くなった事に気がついたらしい。


 先生は。



 そして、さらに。




 首の付け根に口付けた。



「ああああっ……!」


 もう……ダメ……っ!


 膝が、がくがくする。

 とても、立ってなんかいられなかった。

 抵抗をやめて、わたしの全部を先生に任せようと思った。


 その時。


 がたんっと言う大きな物音がした。

 隣の。

 準備室の扉が開いて……



 ……誰かが入って来る気配が……した。