危険な瞳に恋してる

 わたしの都合のいい期待を裏切ることなく、村崎先生は、話す。

「……そうだな……
 三回目は……あんたは、オレのモノだから、かな?」

 お、オレのモノ……!

 村崎先生に……街一番のホストの紫音に『オレのモノ』って言われちゃった!

 これは……ちょっと……いや、本当はかなり嬉しい。

 加藤先輩にされたことは、すごく怖くて悲しかったけれど。

 こんなにキレイなヒトに『オレの』って言われれば、少しは気分が晴れる気がした。

「あんたと、加藤が立ち入り禁止の階段を上がっていくのを見て心配だったんだ」

「うん」

 思わず、口元が緩みそうなのをこらえて、わたしはうなづいた。



 ……心配してくれて、ありがとう。



 おかげで、わたし。



 本当に、先生がヒーローに見えたよ。



 先生、カッコよかったよ。



 もし、先生が、わたしのこと、好きって言ってくれたら。



 わたし、加藤先輩のこと、あきらめられるかもしれない。







 村崎先生のこと、好きになっちゃうかもしれない……











 危険な紫音と一緒に。