危険な瞳に恋してる

 それで、ようやく少し落ち着いて。

 そっと、辺りを見回す余裕ができた。

 ……社会科準備室に入ったのは、初めてだ。

 わたしは、教材係りだったから、隣の資料室にはよく出入りしてたけど。

 中は、小さな職員室みたいに、いくつか机が置いてあったけれど、今は他に誰も居なかった。

 他の社会科の先生達は、お昼に出かけているみたいだった。

 いかにも、社会科らしい、沢山の資料やプリントに囲まれて、お昼を食べようと言う先生は、さすがにいないみたいだった。



 ……誰もいないなら、ちょっとだけ、聞いてもいい、かな……?



 村崎先生は。

 カップと受け皿をそれぞれの手に持って、壁にもたれるように立ったままで、お茶を飲んでいる。

 わたしが見上げると「……なんだ?」と聞いてきた。