危険な瞳に恋してる

「アンタが、余計なコト言ってわずらわせたからよ?
 先輩は、今日の朝レンでシュートが決まらなかったんだってサ!
 今日で引退なのに、現役最後のシュートを外させやがって!
 ……オトシマエ、どうやってつける気?」

「オト……シマ……エ?」

 言いがかりだった。

 もう、このコの言っていることは、めちゃくちゃで、ただ、わたしをいじめたいだけだった。

「……言っていることが、判らないわ!」

「ふざけんじゃないわよ!」

 わたしが言い返したとたん。

 うそっ!

 グーで、殴られる!

 ファンクラブのコがわたしに向かって拳を振り上げた。

 と。

 その手を加藤先輩が、軽く押さえた。

「まあ、待てよ。
 とりあえず、こんなに可愛い顔をしているんだ。
 顔を殴って傷つけちゃ、気の毒だろう?」

 先輩?

 先輩が……助けてくれるの……?

 嬉しい!

 そもそも、この屋上に連れてきたのが先輩だって言うコトをすっかり忘れて喜んだ。

「せ、先輩……ありが……」

 ところが。

 わたしが、お礼を言い終える前に、先輩は、微笑んだ。




 ……まるで、悪魔みたいな顔で。