「もう、あんな失敗は、二度としないさ。
 ……それに。
 教師を辞めるから。
 これからは、負担もだいぶ軽くなる」

 ……え?

「紫音、学校を辞めちゃうの………!」

「ああ。
 守屋が、頑張ってくれたから。
 買春だの、強制わいせつだのって言う莫迦な罪には問われなかったが……」

 紫音の笑いが、自嘲に変わる。

「ホストクラブの経営や薬物中毒は、事実だ。
 しかも、ご丁寧にも、マスコミにまで流れて見事に全部バレたから。
 教育委員会のオバさんたちが、黙っていないだろうな」

 紫音は、髪をかき揚げた。

「さすがに、オレでも「とう」のたったおカタいお嬢さんを。
 何人もいっぺんに、たらし込……
 ……いや、説得して。
 教師にかえり咲くのは、不可能だ」

「紫音……」

 なんて……ことに……!

「……ごめん……
 ごめんなさい、紫音!
 わたしの……せいね?
 わたしが、薬を飲んでしまったばっかりに……
 ……学校を辞めるなくちゃならなくなるなんて……!!」