危険な瞳に恋してる

「紫音は、ね!
 殺人事件を起こしても、買春なんかしないのよ!
 そこらの情けないオヤジと違って女を買ったりしないの!?
 わかる!?
 それどころか、みんな、高いお金を払って、紫音にわざわざ抱いて貰うのに……!
 なんて……なんて、屈辱的な………!」

 アヤネさんは、火のように怒って、わたしに、詰め寄った。

「なんで、紫音は!
 よりにもよって、こんなガキを選ぶのよ!!
 なにも考えずにバカな事するこんなコドモなんか……!
 由香里が死んで……次は……私の番……だと……思った……のに!」

 アヤネさんは、わたしのベッドに、ばんっと乱暴に両手をついた。

「なんで、アナタは、アレックスなんて、莫迦な薬を飲んじゃったのよっ……!」

「……紫音の……飲んでいる薬……たから……」

 アヤネさんの迫力に押されて、わたしは、しどろもどろにつぶやいた。

「紫音のコト……
 もっとわかってあげたくて……
 でないと……わたし……
 紫音の中にいる由香里さんに……負けそう……で……」

 思わず出た本音に、アヤネさんは冷ややかに笑った。