「もう、無理しなくたっていいんだよ?
 考えて見れば、おかしいこともあったんだ。
 この前の村崎の小テスト、答案に答えも書かずに『大嫌い』なんて、書いたろう……?
 あれは……他の誰かに、春陽ちゃんと村崎の関係を、知って欲しかったんじゃないか……?」

 ちが……わたし、そんなつもりじゃ……!

「村崎は……春陽を金で縛って、他に何をさせようとしたんだ……!
 まさか、自分で経営しているホストクラブに、バイトの名目で連れ込んで他によからぬことを……!
 父さんは、春陽が、人助けだって言うからバイトを許可したんだぞ……!
 なのに……なのに……!」

 ちがう……!

 そんなんじゃない……!

 父さんや、あきらクンの考えているようなコトはまったく無かった……


 ……とは、言い切れないけれど……


 わたしは……

 紫音は……


 そんな気持ちで、付き合ってたワケじゃない……!

「だから、もう……村崎のことは忘れて………」

「や……!
 ちがう……!!!」