わたしの声音が微妙に違うのに、気がついたのか。

 柴田が、怪訝な顔でクビをかしげた時。

 宮下先生が、来た。

 明るい色のスーツを着て。

 取り澄ました顔で。

「おはよう!
 さあ、授業をはじめよ……」

 ……って教室に入って来た先生は。

 わたしを見るなり、目を丸くして、ささやいた。

「春陽ちゃんが、ガッコに来てる……!
 村……紫音は、昨夜、ベッドで頑張り過ぎたみたいで、今日は休みだっていうのに。
 春陽ちゃんは、体力あるなぁ……
 若いからかな……?」

 ………まったくもう。

 この二人は…………!