あ、アヤネさんって、しょっちゅう、紫音を指名してるお姉さん……?
驚いている間もあればこそ。
もしかしたら、その名前を聞き出すために、やくざを挑発したのかもしれないけれど……!
相手、五人もいるんだよ?
しかも。
見るからに、強そうな男のヒトたちが……!
紫音は、一体、どうするつもりなんだろう!
逃げて紫音!
交番まで逃げれば、きっと、お巡りさんが……!
だけども。
わたしの心配をよそに、紫音は、一歩も動かなかった。
逃げないのか。
足がすくんで、逃げられないのか。
「紫音……!」
わたしが、思わず、叫んだ時だった。
紫音は、ぎらり、と悪魔みたいな表情で笑うと。
何気なく、手を突き出した。
その瞬間。
紫音にかかって行ったやくざの一人が、高々と、空中に、舞った。
驚いている間もあればこそ。
もしかしたら、その名前を聞き出すために、やくざを挑発したのかもしれないけれど……!
相手、五人もいるんだよ?
しかも。
見るからに、強そうな男のヒトたちが……!
紫音は、一体、どうするつもりなんだろう!
逃げて紫音!
交番まで逃げれば、きっと、お巡りさんが……!
だけども。
わたしの心配をよそに、紫音は、一歩も動かなかった。
逃げないのか。
足がすくんで、逃げられないのか。
「紫音……!」
わたしが、思わず、叫んだ時だった。
紫音は、ぎらり、と悪魔みたいな表情で笑うと。
何気なく、手を突き出した。
その瞬間。
紫音にかかって行ったやくざの一人が、高々と、空中に、舞った。



