危険な瞳に恋してる

 ジェット・コースターに、メリーゴーランド。

 回せば怖い、コーヒーカップ。

 ……楽しいなぁ。

 遊園地の乗り物もいいけど、一番良かったコトは。

 紫音も楽しんでいるようだったコトだった。

 いつもは、強く怖い瞳が、時々ふぅっと優しくなるのがわかる。

 射的場では、あきらクンと勝負して、まるで先生、でも、ホストの顔でもない。

 クラスの男の子みたいな顔して笑っていた。




 ……だけど。


「……お化け屋敷に入るのか?」

 とても嫌そうな、紫音の声に、あきらクンは笑った。

「何だ。
 もしかして、紫音はお化け屋敷が苦手なのか?
 へえええ。
 いい年してお化けが怖い、とか……?」

「そんなことは無い!
 ただ……」

 歯切れ悪く、言いよどむ紫音に、あきらクンはにやり、と笑った。

「よし、だったら問題ないじゃないか。
 是非いこう♪
 もし、お化けが怖くてきゃーなんて叫んでも、僕と萌ちゃんは黙っておいてあげるよ。
 せいぜい、春陽ちゃんに抱きついて、嫌われないように、な」

「……もしかして、本当に、苦手?
 わたし達は、出てようか?」

 本当に、様子が変だ。

「いや。
 お化けが怖いんじゃない。
 暗いところが、嫌なんだ」