「じゃあ、じゃあ。

 春陽の方は?

 春陽の方は、どーだったのよ?」

 一通りカタって満足した柴田は、身を乗り出した。

「いやぁ、ね。わたしの方は、昨日~~」

 わたしは、もうとっくに、赤くなっているほっぺに手を当てながら、喋った。

「わたしが、ピンチになったときに。
 颯爽と現れて助けてくれた、ヒトに、告白されてしまいましたっ」

「わーいっ♪
 すごい~~
 かっっこいい~~」

 ぴゅーぴゅーと口笛を鳴らして、柴田は、笑った。

「スッゴくキレイで、コワいヒトなんだけど。
 本当は、とっても優しいの……
 もう、何回も助けて貰っちゃったから、今度はわたしの方が、何か、手助けしたいな、なんて……」

 思わず、机にのの字を書くと、柴田は、ばしばしと、わたしの肩を叩いた。

「おめでとう!
 そして、頑張ってね、春陽!
 春陽なら、きっと、その彼の力になれると思うわ!
 あたしも、応援するからねっ!」

「ありがとう、柴田~~」

 わたしと柴田は、固く手と手をつないだ。