危険な瞳に恋してる

 先生の身体は、だんだん冷たくなっていく。



 なんとかしなくちゃ……もしかしたら、本当に死んじゃうかもしれない!





 わたしは、ソファベッドから飛び起きた。

 誰か、呼ばなくちゃ!

 慌てて駆け寄った扉には、カギが掛かっていた。

 そのカギが開かない!!

 手が。

 手が震えて……!

 なんとか扉が開いた時には、パニックになってた。

 控え室に薫ちゃんがいるのを見つけると。

 わたしは、薫ちゃんに飛びついた。

「薫ちゃん!
 薫ちゃん!!
 先生が!……紫音が死んじゃう!」

 
 わたしの「死んじゃう!」っていう言葉に。

 心配そうにしていた薫ちゃんの顔が、一気に険しくなった。

 薫ちゃんは、座っていた椅子から、がたっと立ち上がると、たった三歩で、仮眠室に飛び込んだ。




「紫音!」