危険な瞳に恋してる

 紫音は、囁き。

 その強い光をたたえた瞳を、閉じた。

 そして、わたしを優しく抱きしめると。





 改めて唇にキスをしようと、顔を寄せて来た。






 ……嬉しかった。




 紫音の激しい想いが。






 優しさが。








 わたしは、とっても嬉しくて。




 目を瞑って紫音の唇が、降って来るのを待っていた。






 色々あったけど。





 きっと、これが。




 わたしにとっての、本当の意味での初めてのキスになる……そう思った。



 実際、そうなるはずだった……のに。



 ……待っていても。





 紫音のキスは。






 ……いつまでたっても来なかった。