「舞花?どうした??」 「れっ蓮さん?!」 振り返ると蓮さんが居た。今さっき帰ってきたのね。 「あの蓮さん……」 私は、言いかけてやめた。だってあなたに言ったって迷惑になってしまうだけだから。婚約者がいる貴方に言ったって……。 「おい?どうした舞花?」 「あっごめんなさい。何でもないです。晩御飯温め直します。」 私は、そういうと蓮さんの前からキッチンに移動した。 蓮さんは訝しげな表情を見せたけど、とやかくは聞いてこなかった。 私の、地獄の始まりだった。