以前、女の子も含めて飲み会に行った時のこと。

その日も遅くなるとは聞いてた。
泊まってくるとも連絡がきた。
だけど、まさか女の子と2人で泊まってくるなんて、聞いてない。

彼がいうには、居酒屋二件目が終わっても飲み足りない、そして話し足りないということになって、他のメンツは終電で帰るというから、どうしようかという話になったらしい。
それで女の子の方から、家が近いからウチで飲まないかと誘ってきたらしい。

もう一度言っておくと、彼はお酒が好きなのであって、お酒に強い訳ではない。

その女の子の方はどうだったのか知らないが。



早い話、その女の子とヤッてきてしまったらしい。

流石に、怒った。
そんなあたしに、彼が言ってきたのは、

「酒飲むとさ、そういう雰囲気になることもあんじゃん?」
「なんないよ!ばかじゃないの!?」
「いやいや。なるんだって。お前あんま飲まねーからわかんないかもだけど、あるんだって」
「ない!大体、それ浮気じゃん!」
「浮気じゃないって、これくらい。だって別に俺あいつのこと好きじゃねーもん」

お分かりだろうか。
これを本気で言ってしまう辺り、あたしは彼を自由だと言わざるを得ない。

「そんな怒んなって。大した事じゃないんだからさ」

それだけじゃない。

「……あたしが同じ事やってきたら、翔ちゃんは笑って許してくれるっていうの?」

絶対やらないけど、聞かないと気が済まなかった。

「は?ダメに決まってんじゃん」

「………」

間髪入れずに、彼はそう言ったのだった。