先生の眼鏡の奥の優しい瞳が、私の心の中の重たいものをすっと払い落としてくれた。

不思議な気持ちである。


「1日中ひとりっぼっちの研究室なんて、つまらないじゃないか」


首をすくめて見せた。



「先生、あの、私…」


言いかけた言葉を出てくる寸前で飲み込んだ。

「なんだい?」というふうに先生は首をかしげた。



「また、明日も来ます」


「ああいいとも。いつでも来なさい」