「ハァー………」
(珍しいな尚希が、ため息つくなんて。)
俺の顔を覗き込むように見る徹夜。
実は、今……徹夜と2人で飲んでいる。
他の奴らは、今日は呼んでいない。
「色々あったんだよ。」
そう言ってグラスに注がれている酒を飲んだ。
(尚希が、ため息をつくぐらいだからよっぽどのことなんだな。)
俺は、グラスを見つめながら徹夜に話かけた。
「なぁ……
女とセックスしたいって思うのに出来ないのって……どう思う。」
(まぁー………
理由は2つだろうな。
1つは、その女に飽きた。
もう1つはー……好きだら抱きてぇーけど抱けない……みたいな?)
徹夜は、酒を飲みながらフッと笑った。
「フーン……」
(本当、どうしたんだよ?
そんなこと聞くなんて。
あっ、まさか……尚希………
誰かいるんか??そう思う女が。)
徹夜に言われて自然にアイツの顔が浮かんだ。
「あぁ………」
(そうかそうか……ってハアァァァァ!?)
うっせーな。
いきなり、大声を出す徹夜。
(えっ、お前……
好きな奴とか出来たのか?)
「女が出来た。」
(なっ、尚希が……あの尚希が……
女を作った!?
だっ、誰だよ!?)
徹夜は、大声を出しながら俺の耳の近くで話た。
まぁ、徹夜が驚くのも無理はない。
俺は、今まで満里南以外の特定の女なんて作って来なかった。
その俺が、いきなり特定の奴が出来たと突然言われたら驚くだろう。