「じゃあ、用件はそれだけだから。それじゃあね、ルカ、一葉ちゃん」
「はい。期待してて下さいね」
「うん」
クラウドさんと出灰さんは帰っていった。急にしんと静まる部屋。
「一葉ちゃん、この依頼、受けられる?」
「……わかりません。だけど、ルカさんは、受けるんですよね」
「うん。こっちが僕の本業だし」
「なら、受けたいです。辛い、ですけど、誰よりも好きなルカさんが歩く道を、私も歩きたい」
いつの間にか大好きになったルカさんの隣にいたいから。
「一葉ちゃん……」
「ルカさんが迷惑でなければ、の話ですけど」
「迷惑な筈がない。むしろ嬉しいよ、すごく嬉しいっ」
ルカさんが私をギュッと抱きしめた。あぁ、この匂い、慣れたというより最早安心する。
「大好きだよ、愛してる」
ちゅ、と静かなリップ音をたてた私のファーストキスは徐々に深みを増し、濃厚な甘みに思考は溶けて消えていった。
このキスを皮切りに、新たな物語が破壊音をたてて始まる。