誘拐犯と人生ゲーム




「僕の聞き間違いではなくて、ですか?」



私は頷く。



すると、ルカさんは自身の頬をむぎゅっとつねった。古典的なっ!



「い、痛い……。わあ、夢だ」



「いやいやいやいや、現実ですから」



「ほ、本当に……?」



「本当です」



「じゃあ今度からは、その唇にキスしてもいいんですか?」



「……キス、くらいなら。それ以上は犯罪ですからねっ!」



ルカさんは未だ呆然としたような顔で、「……わぁ」と言った。



「……一葉ちゃん」



「何ですか」



ルカさんは私を見て優しく微笑み、私の頬にそっと手を添えた。



……え、早速!?



ルカさんの綺麗な顔が段々近付いてきて……











ピンポーン





……インターホンが鳴り響いた。



わぁー、お約束ー。