誘拐犯と人生ゲーム




「嫌……」



「そっか……。じゃあ、一葉ちゃんはもう普通の生活に「違うのっ!!」え?」



私は真っ直ぐにルカさんを見つめる。困惑したルカさんも、私を見つめ返す。



「断罪者《ジャッジメント》に入るのが嫌なんじゃなくて、ルカさんと離れるのが嫌なの」



「それは……」



「る、ルカさんが好き、だから……、だから、離れたくないよっ……」



半ば涙目になりながら、とうとうぶちまけた。言ってしまった。



ルカさんは言葉も発せず、ただ呆然と、魂の抜けた人形のように私を見てる。



「……ルカさん?」



私が呼び掛けても尚動かない。



「ルカさーんっ!」



心配になって、私はルカさんの傍に行き、軽く肩を揺さぶった。



「あの、ルカさ、ぅわっ!!?」



ルカさんがいきなりバッとこちらを向いた。吃驚した……。