「でも、どうして私だけ……」
「一葉ちゃんは正義感が強いし、何より"歌声"がある。
正義感の強い一葉ちゃんは、力では制御出来ないと踏んだからだと思うよ。
下手したら自分達が終わるかもしれないから」
正義感、強いのかな。だってこの前、人を殺したのに。いくら悪人とはいえ、殺人には変わりない。
「一葉ちゃんの家族は今刑務所にいるよ。懲役何年かは知らないけど。妹ちゃん達は入院中」
「……それだけですか?誘拐の理由」
「流石、鋭いね。勿論まだあるよ。肝心で、残酷な理由が」
「どうせ私の能力でしょう?」
「……その通りだよ。一葉ちゃんには、断罪者《ジャッジメント》に入ってほしいんだ。
一葉ちゃんが嫌ならいいし、もう束縛したりしない。解放するよ。
今まで通り学校だって行けるし、親族の人達と一緒に住むことになる。一葉ちゃんの安全は保障するし」
……解放するって、拒否したらもうここにはいられないの?
ルカさんとはお別れ?
お別れって、もう会えないの?
そんな……


