誘拐犯と人生ゲーム




「一葉ちゃんは妹達が好きなの?」



「まぁ、やっぱり可愛いです。双子な所がまたツボをついてくるんですよ」



そう、私の妹達は双子なのだ。一卵性双生児で、瓜二つ。



「……そっか」



何だろう、今日のルカさんいつもより変。



「ルカさん?」



「……潮時、かな」



「?」



ルカさんは湯呑みをテーブルに置いて、真剣な顔で私を見つめた。



潮時ってどういうこと?何か嫌な予感がするのはどうして?



「一葉ちゃん、僕は君に隠し事がある。それを明かそう」



「隠し、事……」



「うーんと、そうだな、何から話せばいいんだろう」



ルカさんは困った風に腕を組む。いやいや、困ってるの私。



「……じゃあ、まずは、僕のことから」



ルカさんの身の上話が始まった。