……暗黒の歌姫《アンダーディーバ》。暗黒の、歌姫か。
それが私の背負う名前。これから付きまとう、私を表す名。
「……いいわ。
暗黒の歌姫《アンダーディーバ》、私はこれからその名を背負って歩いてく。
背徳の、闇の名を」
「そうかい」
出灰さんは大して興味もなさそうに私を見ている。彼の目はまるで死人だ。
「んじゃ、さいなら」
「えぇ、出来ればもう二度と来ないで下さい」
ルカさんの言葉を背に、出灰さんは出ていった。出灰さんって何なんだろう。
立ち位置がわからない。仲介業者?
「僕もう一度寝てきますね。いつも通り起こして構わないから」
「はい」
「一緒に寝る?」
「断固拒否します」