―――翌日
朝早くからインターホンがしつこく鳴り響き、私達は否応なしに起こされた。
悪ガキの悪戯よりも悪質な嫌がらせを施行した相手は、勿論……。
「よぉ〜っ、よぉ〜っ、よぉ〜っ、よぉ〜っ。お早うさん」
出灰さんだった。
ルカさんが玄関を開けた途端に、ズカズカと入り込んできて、リビングで堂々とくつろぐ悪質犯。
「用件は、一葉ちゃんの呼び名ですか」
「That's right」
流暢な英語で『その通り』。裏世界での、私の呼び名か……。
「女王様はお前に名前を与えた。お前に与えられた呼び名は」
呼び名は?
「暗黒の歌姫《アンダーディーバ》、だ」


