誘拐犯と人生ゲーム




「もう許さないっ!!死んでおしまいっ!!」



目にも止まらぬ速さでルカさんに接近する女性。



「ルカさっ―――」



私は寒気がして、とっさに転がった。窓ガラスがバリバリと割れる。



「お前の相手は俺だ」



「……そうだったわね」



私は奴と対峙する。ルカさんはもう遠くに行ってしまったらしく、喧騒も聞こえない。



それでいいの。



私の"声"が聞こえない所にいるのなら、私は存分に戦えるから。



「さぁ、行くぜ!!」



「どこに行くの?」



「いや、そうじゃなくてだな、攻撃するぜって意味だ」



「誰に攻撃をするの?」



「誰って、そりゃお前だよ」



「本当に私?」



「当たり前だろ!!ふざけてんのか!?さっきから下らない質問ばっかしやがって!」



私は笑う。