誘拐犯と人生ゲーム




「……怖い?」



ルカさんが離れて、ちょっと心配そうに尋ねてきた。



「当たり前ですよ」



怖くなかったらその人の胆力を褒めたい。



「日にちは三日後の木曜日か。舞台が光麗高校なんて、女王様の考えることはわからないなぁ」



「学校ですもんね。壊しちゃったりしたら怪しまれませんか?」



机とか窓とか黒板とかその他諸々。壊したら修復不可能だから。



「そこはほら、女王様の直属の部下がフォローしてくれるから。存分に暴れて結構、だって」



……気前がいいのか、それともただ楽しみたいだけなのか。



「まぁ、大丈夫だよ。一葉ちゃんは僕が守るからね」



「……そうですか」



あまり頼らないことにしよう。いや、信頼してないわけじゃなく。



何か、個人的に。