誘拐犯と人生ゲーム




「違います」



世界はまた変形を始める。



「確かに一葉ちゃんが"神の歌声"を持つことは知っていましたし、興味もあります。


ですが誘拐をしたのは、純粋に彼女が好きだからです。


愛しくて愛しくて仕方ないんです」



修正された世界が、正しい景色を映す。



「はっ、愛ゆえにか?それこそ馬鹿だな。哀しすぎて笑っちまうぜ。


まぁ何にせよ、そいつには依頼を受けてもらう。それが女王様のお望みだ」



「ですがっ……」



「受けるよ」



ルカさんの言葉を遮って、私はその依頼とやらを承諾した。



「ほぉ?」



「一葉ちゃん!?」