誘拐犯と人生ゲーム




あ、ルカさんが出てきた。若干キレ気味の顔してる。ルカさんも怒るんだ。



そして腹立たしそうにインターホンの通話ボタンを押した。



「煩いですよっ!一回でやめなさい、一回で!迷惑ですよ、用があっても貴方にだけは来てほしくないのにっ」



うわぁ、ルカさんがキレてる!あのにこやかなルカさんが!



来てほしくない相手って、一体どんな人なんだろう?



「よぉ〜っ、よぉ〜っ、よぉ〜っ、よぉ〜っ」




その人物は、廊下から現れた。短い黒髪に銀縁眼鏡の男性だ。



「俺だって用があろうと来たくなんかないね、テメェの所なんざ」



「じゃあ来なければいいじゃないですか」



「ところがどっこい、そうもいかねぇ。何つったって、"依頼"を届けに来たんだからな」



「!」



依頼……。