誘拐犯と人生ゲーム




「ルカの奴、何してるんだか」



ルカさんの知り合いか。親しいのかな。この家に入れたのは、合鍵でも持ってたからとか?



「で、何の話してるの?」



「キッチンを覗けばわかるよ」



え、バレてる!?何で!?見てもいないし、私ちゃんと息も潜めてた!



「?」



リビングから、高校生くらいの女性が顔を覗かせた。



あ、可愛い。



じゃない!!



「わーっ、可愛い女の子だ!君名前は?私は荻南 三月だよ」



荻南さんは、目をキラキラと輝かせて私の名前を尋ねる。



「知らない人に名前は教えちゃ駄目って、お母さん言ってました」



「しっかりしてるね。じゃあ、年は?見た所14歳でしょ!」



私は何も答えない。合ってる。けど別に否定する要素ないし……。



「ねぇねぇ黒羽、この子誰かな?竜鄙さんの親戚の子とか?」



「ルカに親戚はいないよ。多分無理に誘拐でもしたんだろ」



「誘拐!?

へー、竜鄙さんって大人しそうに見えてそんな大胆なことするんだ。


でも何で誘拐なんかしたのかな?一目惚れってヤツですか?」



「本人に聞けば」