誘拐犯と人生ゲーム




「わっ!?」



突然ルカさんの手が伸びてきて、私はベッドに引きずりこまれた。



そしてぎゅうっと、キツくキツく抱きしめられる。今度から不用意に近付かないことにしよう。



「おはよう一葉ちゃん。今日も食べちゃいたいくらい可愛いですね」



「おはようございます。それは嫌です」



「相変わらず冷たい。でも冷たいからこその一葉ちゃん」



「ご飯出来たので食べましょうよ」



「……もう少しだけ、このまま……」



ルカさんは、決して豊満とは言えない、しかしツルペタでもない私の胸に顔をうずめる。



「……セクハラで訴えますよ」



「今だけ許して。朝は獣に近付いちゃうんだ。襲わないから許して」



危険なのは夜じゃなく朝か!読めない人だなぁ、全く。



「……ん、有り難う」



ルカさんはようやく起きた。まだ眠たそう。