誘拐犯と人生ゲーム




「……クェッ」



ミーナちゃんが何やらバタバタした。フルートを構えたポーズを取っている。



「もう一回吹いてほしいの?」



「クェ!」



ミーナちゃんは力強く頷いた。



「わかった」



私は最初から吹き始める。部屋は静かで、リビングとしては広いけど、ホールとしてはかなり狭いから反響がすごい。




終わると、拍手が二つ聞こえた。




「上手いね、フルート。何だっけ、ビブラート?もかかってるし」



「いえ、まだ全然素人です」



「謙遜だね。……あ、そうだ、明日買い物行かないと。一葉ちゃんの服が必要だもんね」



「サイズは……」



「ううん、大丈夫。相手のサイズは全て一目見ただけでわかるから」



ある意味怖い!



「そのパジャマはぴったりだから、パジャマはいらないね」



いつの間にか用意されてたボーダーのパジャマ……、と、下着……。



何でこんなものがあるんだ。