誘拐犯と人生ゲーム




腕を見ると、肘の少し下辺りが擦りむけて、血がダラダラと流れていた。



「大丈夫っ?すぐに手当てしないと……。こっちおいで」



ルカさんは私を立たせると、隣の部屋に入った。私も続くと、そこは医務室みたいな部屋。



お医者さんに来たみたい。あ、闇医者さんだったか。そうかそうか。



棚が部屋の壁を埋め尽くしていて、私には到底理解出来ないような物が沢山ある。



「丸椅子に座って」



素直に座って待ってたら、棚から救急箱を取り出した。



「そこに洗面台あるから、怪我した所軽く洗って。そしたら傍にガーゼあるから、ポンポン拭いて」



染みるのを我慢して洗った。ガーゼを取り、ポンポンと優しく拭く。



「はい、腕見せて。染みるけど我慢してね」



ルカさんは消毒液をつけたガーゼで怪我した部分をポンポン触れる。



その後普通のガーゼを被せて、白いテープで止めた。



「はい、手当て終わり。偉い偉い」



ニコニコと私の頭を撫でるルカさん。





何だか嬉しくない。