文化祭、本当は今年が最後だから午後も楽しませてあげたいんだけど・・・・・・・。
あの子はアイドルだからね。大騒ぎになりかねないし。
実際今も大騒ぎなんだけど。
去年は大変だったらしいから、今年は午前しかダメって社長に言われてる。
でも本人はそれを知らないから聞いたら悲しむとは思う。
「はぁ~どうしたらいいのかしら」
「何がですか?」
「え?・・・・・・・あら、あなたは優君じゃない」
「お久しぶりです、豊川さん」
私の前にいたのは薫の彼氏でもあり人気アイドルの優君。
変装してたから全然気づかなかったわ。
いつの間にお店に入って来たのかしら。
「それより何があったんですか?」
「もしかしてさっきの独り言聞こえてたかしら」
「はい、ばっちり」
やっぱり、まぁ優君には話してもいいかしら。
「実は薫、今日の文化祭午前までしか出れないのよ」
「そうなんですか? 俺、薫と午後から回ろうと思ってたんですけど・・・・」
「そうだったの?でも社長の命令だし」
そう言ったら優君は悲しそうな顔をした。

