「紫苑!」 俺が空木を呼ぶと、彼は驚いた顔をした。 彼の手には、青い焔。 「……楓太…」 ――あ、俺の本名言っちゃったよ そして彼は「あ、そうだ」というように、ハッとした表情を見せた。 「全部伝えてもらったよ。みんなには退いてもらった」 彼は珍しく早口だった。 「お、ありがとな」 そう言って、俺は空木が見ていたものを見た。