それは我(わたし)が最後に会議の場所から出た後のことだった。 強い突風が吹き、木々が揺れる。 人鬼ほど鼻はよくないが、その時にスン、と微かに血の匂いが香った。 ――まさか ザワリと胸騒ぎがする。 嫌な予感がして、我は風上へと急いだ。