「じゃぁ、俺はここで」 いつの間にか、見慣れた風景が目に入り始めていた。 そしてここら辺は、見張りの目の届くか否かの場所。 きっとワタシが一歩踏み出せば、やって来るだろう。 「またな、淋」 「あぁ」 ニッと楓太が口角を上げた。 踵を返して、歩いていく。 「ありがとう」 小さくなっていく背中を見て、言った。 ザァァと、また強く風が吹いた。 楓太が右手を上げた。