フラつく俺を淋が支える。 たまに前ぶれなく、血を欲する衝動が起こる。 ――よりによって今日かよ。 「畜生…っ」 こういう時、鬼が羨ましい。 俺らヴァンパイアは血を飲まないと生きていけない。 絶対に。 「……ごめん…」 焦った顔をして、俺を見上げている淋に言う。 「…あぁ……」 そう言う彼女の目は据わっていた。