「獣鬼の本来の姿、ねぇ…」 楓太は何か考えているようだった。 「あ、」 ふと彼が声を漏らす。 「何で本来の姿を隠してんだ?」 「人に似たようなかたちをしているのは、人間とのいざござを避けるためだ」 「あ、なるほど」 楓太は納得したように、「めんどくさいもんなー。人間って」と言い、息をつく。 ……何か心当たりがあるらしい。 「そして、いつしか人型で行動することは鬼の掟となった。それは獣鬼や鳥鬼にも言える」 楓太が顔をしかめた。 「掟破り?」 いまだにこちらを睨んでいる獣鬼を指した。