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「あー、ちょっと待って待ってー」
これから淋が幼い時に修行をしたという場所に行こうかとした時に、空木が俺らがいる里の門まで走ってやって来る。
「ひとつ言い忘れてたけど、姐さんの修行場所にある岩にはむやみに触らない方がいいよ」
珍しく真剣な顔をしていた。
「なんで?」
「その岩、サッセキガンっていうんだけど、」
「サッセキガン?」
「殺す石と岩って書いて殺石岩」
うわぁ…。
字からして恐ろしい岩じゃん。
千秋も俺と同じことを思ったのか、少し顔をしかめた。
淋は空を見ていた。