ボクはいそいでショウコちゃんの部屋から階段をかけおりて玄関へと走った。

ショウコちゃんはボクの顔をみるなり笑顔になった。

「トニーも帰ってきてたんだ」

ボクは、みんなが学校や会社にいってしまう昼間は、クサリをはずされて自由にどこへでも行けるようになっている。家の裏口も改造されていて、犬一匹が自由に出入りできるようになっているんだ。

ボクは自信はないけれど一応番犬なので、野良犬とちがってどこかにふらふらと行くことはない。しかし、今日はあまりに天気がよかったので、つい塀をとびこえていつもショウコちゃんと散歩に行く近くの公園まで遊びにいってしまった。

そこである事件がおこった。