悪魔は人に依存する



イメージは達磨落とし。土台が崩れて、身長が低くなった。


「――」


足がなくなり、脛で地面を踏むこの奇怪さ。


転倒したのは言うまでもないが、受け身が取れずにいたのは、左手のみならず、右手も取れたからだった。


四肢欠損。
達磨落としの失敗例。


無惨にも横たわる体は傷ついた芋虫。痛みに痛いと、身を捩らした。


「が、づっ……!」


輪切りになっている腕を見た、切り離された足が頭上に落ちる。


「な、ん……っ」


驚く内にも、体が寸断される。末梢から中枢にかけて、見えない刃が振り下ろされていく。


「お前さえ、いなければ良いんだ」


「……!」


虚ろな声の主。
心臓をなくしたはずの死人が立っていた。