そんな思い上がりが出て、こうしてノエマに刃向かってくることは、実のところ、“よくあること”だった。
「呆れるほどにいた。貴様みたいな奴は。――ああ、本当に、“その他大勢”だよ、貴様は」
それだけシキミは愛された証拠でもあり。
「私が残り続けられたのは、シキミにとっての絶対だからだよ」
絶たない繰り返しは、また巡る。
決まった結果を持って。“立っているのは自分だと”、ノエマは口端を歪めた。
勝ち誇ったように、もう勝負はついていると――“左手が、アガトの心臓を抉った”。
「ぐっ……!」
両者の距離は離れたまま、手なんか届くはずがないのに、“飛んできた”。
ノエマから切り離したはずの左手、それ単体のみでも動き、俊敏と共に死の一手を打つ。


