「つけあがるな、汚点!」
過去の復讐かと怒声を浴びせたノエマであったが、アガトの殺意は“そんなことではない”のだ。
「つけあがっているのは、どちらだ!シキミは、俺の……、俺の恋人なのに、お前がっ!」
ようやっと、ノエマにも話が見えてきた。
恋人だなんて場違いとも思えよう台詞を聞いておかしくなる。
「あの方も、どうしてこんな奴と契約したんだか」
奔放さは前々から知っていたが、これはないだろうと、ノエマは嘆息でもしたい気持ちとなる。
「汚点と罵倒され続けた貴様のことだ。あの方の優しさを愛情とでも思ったか?」
容易く想像できたことがあった。
「自惚れるなよ、汚点。シキミは誰にでも優しいんだよ。自身が所有する“召喚物全て”に対してな」


