悪魔は人に依存する



見計らったようなタイミング――いや、最初からそれを言っていたのか、耳に届いたことは、ノエマの動きを止めた。


意表を突かれ、殺意もろとも呆気となる。


「『シキミ』だと」


その名がどうして、今出るのか、ノエマは分からなかった。


「あの方がどうした。私の大切な御仁盾に――あの方をどうにかしようものなら、浅はかだ。シキミは貴様風情が手を出せる存在では――」


「そのシキミに、手を出したのはお前だろうがっ!」


弾けた声と共に、ノエマの手が千切れた。


「っ……!」


心臓を止めてしまうほどの驚愕。寸断された左手を見て、凍りついた。


何を、された――?


「貴様……っ」