「――、ミ」
風に流されてしまう声をぼそぼそと口から溢す。
言えば、気味が悪かった。
「馬鹿なことを」
気味の悪さで鳥肌が立った腕を掴み、ノエマは自身のこれは勘違いだと取り去る。
一瞬だけ、思う。
気味が悪いに含まれてしまった、“恐怖”を感じ、こんな奴に何を思っているとノエマは憤りを感じた。
「言うことを聞けば、逃してやったというのに」
可愛げがない。
鬱陶しいだけの羽虫だと、ノエマは指の関節を鳴らす。
指は口となり、鋭利な爪が牙となる。鷲掴む動作が、喰らうに直結しようその手法。何の躊躇いもなく、この場でアガトを殺そうと思えど。
「お前、シキミに触れたな」


