「あいつ、あいつ!」
間違いは、ただ一つだけ。
「あいつがいることが、間違いなんだ!」
もう、シキミは憎くない。
「ごめん、ごめんね、シキミっ。君は悪くなんかないのに、何を考えていたんだろう、クハッ、あー、ハハハハッ!シキミは悪くない、だって、俺の愛するシキミなんだから、シキミが俺を裏切る真似なんかしない!分かってる、分かっているよ、憎むなら、あいつを、シキミを愛する俺以外の奴を、ああ、ああ、あああ゛!」
分かった、理解した。
故に、認めた。
「憎い、殺したい……!シキミに触れたあいつをっ!」
この憎悪のままに、“あいつ”を殺せと脳が命令してくる。
敵を見つけて哄笑し、恋敵だったからこそ憤怒する。


