それこそが、アガトにとっての真実(シキミ)であると絶対化するように思い返したのに、合間、知らない『シキミ』を見てしまう。
「っ……!」
体が震え、舌を噛む。本気で死のうと思ったが、寸で止まった。
「ちがう……、ち、が……」
その、可能性を持ち出して。
「シキミが、俺以外の奴と……」
愛し合うわけがない。
アガトにとって、シキミは真実であり、絶対。またその逆も然りの相思相愛だと確信していたのだ。
憎んではならない。
でも、頭から消えない場面が憎しみを募らせる。
消し去りたい。消えない。憎い、憎いんだ。
「“あいつ”」
行き着いた先がそこであった。
シキミを憎んではならない、愛し続けてしまったアガトは、消えぬ怒りの矛先を変えた。


