日光を遮るにしても、ここは年中薄暗い。 まるで、“昨晩からずっと閉まったままのような”。 「……っ」 出かけている、それだけだ。 なのに、知らずとシキミの自室へと繋がるテラスに着地してしまう。 「……」 心臓が早鳴る。 だからこれは、今まで死に物狂いで飛んできたからだと――無理に言い訳をした。 分かって、いたんだ。 人の気配。 そうして、“同族の気配(匂い)”。 汗だくなのに鳥肌が酷い。心臓が口から吐き出せるほど気持ちが悪かった。