「話の分からない胃袋のくせして、小賢しいな」
からかわれているんだと分かったアガトだが、どうすることもできない。
出直すかと考えても、また来たところで成果を得られるわけもなかった。
そもそも、こいつがルビーを飲み込んだ確証もないのだから下手に立ち向かって泣きを見るにも行かないし、袋小路にでも立たされた気分を味わっていれば――デウムスが行動を起こす。
仄暗い口の奥。
何かがちろりと動いたかと思えば。
「きしょーっ」
無数の舌が口から溢れた。
あそこまであれば植物のツタ。蠢くさまは卵から孵化した蚕(かいこ)の群れ。
各々が意思を持ち、なかなか口に入らぬ獲物目掛けて飛びかかる。
要領としては先ほどの鼻と同じ捕まえ方にせよ、今度は数が多い。


